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縄文体質とは何か(総集編)~日本人の精神的骨格である

縄文体質とは何か(総集編)~日本人の精神的骨格である。
「縄文体質とは何か?」6つのキーワードで見てきました。

“自然”・“職人気質”・“仲間意識”・
“はたらく”・“性”・“信仰”

最後に各回の投稿の「最も伝えたい部分」を短文で紹介して縄文体質を総合的に表現していきたいと思います。⇒は、まとめの言葉です

第1回 縄文人にとって自然とは
過酷な天災という自然外圧は、突然現われる神の訪れであったと見られ、又四季の変化は、人々に食料の恩恵を与える一方で、周期的に移り変わる自然環境として、日常的に適応すべき、不可避の外圧であったと見られる。
自然への恐怖、畏怖の念、そして台風が去った後の穏やかさを与える自然への感謝の念。自然には決して抗えない、生かされている意識、それらが我々日本人(かつては縄文人)の心に刻み込まれてきた。
⇒自然とは外圧であり、生きる根源である

第2回 集団性(仲間意識)が作る強さ、柔軟性
「原始社会での物々交換は、現代人が考えるような、等価値の物品同士の単純な交換ではなく、命がけで入手した交易品には万感の思いが込められていたはずです。それには言わば、贈与者のマナ(霊的な力)が込められている。俗に言えば「心のこもった贈り物」ということになり、当然功利的な打算など優先されることもない。」
贈与は集団間の緊張圧力を緩和したが同時に集団間(同類間)の切磋琢磨の追求競争を作り出した。
⇒最も貴重なものを無償で相手に贈る、贈与経済こそ縄文体質の根幹である。

第3回 職人気質に見る追求姿勢と自然感
他国の金襴豪華な美術品やシンメトリーで権威的な建物と違って、日本の芸術は素朴であいまいで、調和があり、まさに自然と一体となってその感覚を素直に表出しているところが特徴である。こうした日本人の職人気質は、やはり縄文時代に培った自然感や集団気質に由来している。自然を観察する中でその原理、性質を追求し、様々な独自の技術が開発し続けた縄文人は、まさに追求する民族であり、そのあくなき追求姿勢こそが、現代の職人気質の原点となっているのです。
⇒職人気質は縄文由来であり、その根本に自然注視がある。

第4回 縄文の”性”を知る
ついぞ江戸時代までは女は母集団の中に残り、集団の共認充足に包まれた中で集団と女達は一生暮らすことができた。諸外国を見渡しても婚姻形態がこれほど近代まで残った国も稀有だし、一対婚がこれほど根付かなかった国もない。その意味で縄文が最も色濃く残ったのが婚姻であり、男と女であり、性充足である。それほど、日本人は性におおらかで性を心から楽しんでいた
性とは秘めるものではなく開くもの、おおらかなもの
集団にとってなくてはならないもの
性は教育であり楽しみであり、いわば生きる事=活力そのもの
そして本源の性を語る上で、言葉は無力です。
感じる事、相手を思う事、そのDNAに刻印された心の部分で本質を受け取る事だと思います。
⇒性とは秘めるものではなく開くもの、生きる活力の中心にあった。そして女たちはその活力(集団)の中心に居た。

第5回 縄文の働き方は自然との共生
現代とは違って、上下関係などないフラットな集団で、誰のために働くかといえば、当然みんなの役に立つことをし、強制されることなく、自らすすんで、やりたいだけやるのが、縄文人の「はたらく」だったのです。
なぜ「ボス」がいなくても組織が成り立つのか なぜボスがいないんですか?
~共同体の真ん中に権力を置かないことで、みんなが等距離にある状態をあえてつくりだしていたと考えられます。
・・・労働しなかった時代のほうが400万年にわたる人間の歴史の中では長かったんだよね。そして、働いてないころの人類のほうが、ずっと豊かだった。 しかも平等で貧困もなければ、戦争もなく平和だった。
縄文人のはたらくは労働ではない。みんなの役に立つこと(傍を楽にする)=は・た・ら・く だった。

第6回 縄文人(日本人)の信仰とは対象へのあくなき同化
縄文時代アニミズム(自然崇拝)に表れるように、その本質は対象へのあくなき同化です。
日本人の宗教とは祈りも誓いも含めて見えない対象(自然やその奥にある精霊)への同化追求の姿なのです。これが諸外国の一神教とはまったく異なり、極論すれば日本人が無宗教といわれる所以です。つまり日本人の信仰心とは同化力の事なのです。・・・この信仰は日本語となり言霊となり現在にも引き継がれています。
⇒信仰=対象同化

最後に縄文体質とは・・・

・自然とは外圧であり、生きる根源である
・最も貴重なものを無償で相手に贈る、贈与経済こそ縄文体質の根幹である。
・職人気質は縄文由来であり、その根本に自然注視がある。
・性とは秘めるものではなく開くもの、生きる活力の中心にあった。そして女たちはその活力(集団)の中心に居た。
縄文人のはたらくは労働ではない。みんなの役に立つこと(傍を楽にする)=は・た・ら・く だった。
・信仰=対象同化

次回のシリーズはこの縄文体質がいかに後の日本人に引き継がれていったか?
その系譜と足跡を見て行きます。タイトルは「縄文体質の史的足跡」とします。お楽しみに